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粉体塗装について

粉体塗装について

こんにちは。

東大阪市にある富士電装株式会社です。

今回の塗装コラムは「粉体塗装」について、

少し掘り下げて参りたいとおもいます。

粉体塗装とは。。

有機溶剤や水などの溶媒を用いない100%固形物の粉末状(固形)の粉体塗料を使用して、

主に静電粉体塗装法(吹き付け塗装)

もしくは流動浸漬法(浸漬塗装)の2方法にて行われる工業塗装法を「粉体塗装」と云う。

被塗装物の素材は金属類が主体であり、工業塗装方法として多用途に利用されている。

日本コーティング協同組合のサイトにはこのように紹介されております。

非常にわかりやすい説明ですね。もう少し付け加えてみましょう。

粉体塗装の仕組みは静電塗装と同じです。

つまり、電気を通じて塗料を密着させています。静電塗装との違いは、塗料が「溶剤」であるか「粉」であるかそれが決定的な違いになります。

ここでは詳しく説明しませんが、流動浸漬と言う方法もあります。

それは、静電気を使わず粉のプールに高温にした品物を浸漬して塗着させる方法です。

主にフェンスや買い物カートなどに使われます。

特徴は静電塗装より高膜厚。材料としてナイロンなどエンプラもあります。)

近年では環境問題の取り組みから、溶剤を使用しない為に「低公害」とも言われ、

粉体塗装の利用が増加しております。

粉体塗装の特徴は?

粉体塗装の特徴は「厚膜」です。溶剤(水分)を含まない為に樹脂分がそのまま塗膜になります。

詳しく説明しましょう。

溶剤塗装の場合、溶剤に含む水分は強制乾燥で蒸発しその後、硬化した塗膜は約20μ前後が平均となっております。

(塗料によって異なる)その膜厚(約20μ前後)に対して粉体塗装は粉そのものが塗膜となる為、

膜厚は約100μ前後と、溶剤に比べて約5倍くらいの塗膜ができるのです。

この膜厚の特徴から「屋外仕様」の商品に使われることが多くあります。

例えば、車止めポール・フェンス・門・テラス椅子など、人・物・自然によって、衝撃を受けると想定される商品に使われるのです。

つまり、膜厚の厚みが素材への負担を軽減する効果が狙いです。

もし何かの衝撃により簡単に素材が露出する塗装仕様であれば、

そこから雨水の浸入や太陽候によって素材はダメージを受け、劣化するスピードも加速するのです。

粉体塗装の特徴は「膜厚の厚み」。これこそ最大のポイントです。

粉体塗装のデメリットは?

粉体塗装のデメリットは「膜厚の厚み」が逆手となり、薄膜に仕上げることができません。

なので精密部品など、逆に薄膜且つ性能を要する商品には使えないのです。

また、色や性能も溶剤塗料に比べると豊富に揃っている訳ではありません。

また1回の塗装で膜厚が約100μも付着する為、リコートする際は溶剤塗装を要する場合もあります。

これもデメリットです。

粉体塗装で大切なことは商品の「用途」から逆算することです。

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